[創作の秘密 ]     [BACK]

作品の数は、私の苦悩の数です。何故、私の作品はショップになく、金額の明記もなく、私からしかお譲りすることができないか。ビジネス的に不利な非効率的なことをするのか。それでも何故、私は皆さんに作家として長年生かされているのか。長文になりますがその理由をお話しします。

2004年から本日に至るまでのこれまで。外注パーツを除く全ての作品は、御座総一の手によって創作されてきました。04年は路上で活動していた為、受け入れられる術もなく、ホームレスの方にツバをかけられたこともあります。その時代は100円でも絵が売れない程でした。

例えば御座総一もまた、有名なブランドが大好きでした。有名なブランドを着けた事でまるで自分がその一部であるかのような気持ちになっていました。後にそれは大きな間違いであると気づきました。ブランドにはブランドに成る理由があります。しかし、その多くはいつしか拝金主義になり、大きなブティックへの参入や広告媒体に乗ることが至上であると誤解を始めます。

日本に存在する多くのブランドは効率を求め、銀は数千円で型にはめただけの、自分が創ったはずなのに?コピー品を5万円程で販売していきます。天然石も同様です。ネットでは恐ろしいほどの粗利をつけて品質の低いものを、それをさも、素晴らしいものであるかのように語り販売します。 やがては作家は魂を売り、もはや自立することができなくなります。日本の作家が日本の作家とコラボレーションする時はその名誉で決めます。私自身も「預金通帳を提示してほしい」ととある作家から言われた程です。勿論お断り致しました。

有名な作家の展覧会で何万人と人が来たというニュースをよく耳にしませんか?その作家の背景には人脈を豊富に備えるプロデューサーがいて、○○銀行の社長や○○TVの社長と知り合いだったりします。その人たちに数百万円で作品を購入させます。そしてメディア媒体に掲載。当の作家は物作りを始めて1、2ヶ月の人間。こんなことが当たり前のようにあります。 大半の大手の企業が皆さんに語らないことです。 その実態を知り、私は虚無感に浸りました。

これらを踏まえて、御座総一の作品が何の店舗や媒体に乗る事なく、御座総一からしか引き取ることができない理由は「作品への想い」です。

銀は彫刻で行います。型すら存在しておりません。ですので、全てが完全な世界にひとつだけのものです。私が針や2016年より導入した高品質なリューターを使用して彫刻のように創作します。900度で焼き、仕上げまで務めます。天然石は17年より卸業者の許可をいただいております。絵画は1点1点私が自分の手を使って創作していきます。作品は完成したら包装用紙に直筆でイラストを描き発送。私はこの作業を1000点以上、1人で地道に行ってきました。

 

どれもが心が折れる様なもので、どれもが楽をしたくなります。天然石も卸すには、相当な金額が必要で、結果薄利になることがあります。福袋は平たくすると、利益はほど皆無です。しかし私を支えているのはクライアントの皆さんのお言葉だったり、私が昔憧れていたアーティストが、私の為に1点物を創作してくださったら、どれくらい嬉しかっただろうというカタルシスな気持ちです。

 

毎月100万円利益が出るが、ご依頼主様が不幸になる仕事と、 20万円しか利益が出ないが、ご依頼主様が幸せになる仕事なら 後者を選びます。

全ての作品がそうなるとは限らないかもしれませんが、そのように願っています。